直播き栽培実験を開始
2016.4 自然農田んぼ塾事務局 逢坂
イネの直播き栽培は、移植栽培にくらべて(1) 育苗や田植えの必要がないため、農作業が大幅に省力化できる、
(2) 移植による成長中断や根の植え傷みがないため、たくましいイネが育てられる、
というメリットがあります。
その反面、直播き栽培を成功させるためには、
(1) 種の発芽率を上げるため、圃場全体を凹凸が種の大きさ(2~3mm)程度になるよう平坦化すること、
(2) イネがそれ以外の草との競争に負けないようにすること、
(3) 種が鳥に食べられないよう、圃場面を保護すること、
などの課題があります。
2015年は、上記課題に対する対策を立てたうえで直播き栽培実験を行いました。その結果、種間隔3cm、6cmのスジまきで反あたり収量7.9俵という好成績が得られました。しかし課題(1)に対する対策が不十分だったため、種の発芽率が3cm間隔まきで65%、6cm間隔まきで47%という低い値でした。
2016年の直播き栽培実験は、課題(1)に対する対策を強化して種の発芽率をできるだけ向上させること、それによってイネの収量がどこまで上がるかを把握すること、を目的としています。
まず実験を開始するための準備として、4月初めに、種をまくスジ状の領域に生えた草をきれいに取ったあと、表面から2~3cmの深さの土をほぐしました。(写真1)で、黒っぽい部分が種をまく領域です。次に、4月13日に溝に水をいっぱい入れ、その水位を基準にしてまずレーキで荒く平坦化したあと、つぎに水たまりを砂で埋めて平坦化の仕上げをしました。(写真2)は平坦化を終えたところです。なお、圃場は3つの領域に分けてあり、いちばん奥が種間隔3cm、中間が種間隔6cm、いちばん手前が種間隔9cmの領域です。
写真1 種をまく領域の草を撮り、表面の土をほぐしたところ |
写真2 水を張ってレーキと砂で種をまく領域を平坦化したところ |
写真3 種まきをしたスジ状の領域に覆土したところ |
写真4 種まきの後、鳥よけのために稲ワラを敷き、水を入れたところ |
2016年は、上で述べたように種まき直前に整地・平坦化したため、種をまいた領域はまったく荒れていません。したがって、種の発芽率は2015年に比べて改善されると予想されます。
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